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世界が深まる色彩空間
@ギャラリーさぼん
こんにちは、matsumoto takuya です。今回は渋谷区広尾にある画廊・ギャラリーサボン(9月展示)をとりあげます。
ギャラリーサボンは、美術館ではなく画廊です。そのため、気に入った絵画があれば購入することができます。もちろん見るだけでもOK。オーナーは、主に現役の世界中のアーティストの作品の中から、日本では見られない表現をしているアーティストの作品を主に扱っているそうです。
わたしはこのブログを「徒然ゆえのギャラリー」と称しておきながら、実は狭義のギャラリー初体験でした。美術館は主にキュレーターの視点で展示されていますが、画廊の展示はより生活とつながっているうえに、サラリーマン(キュレーター)とは一味ちがった作品への想い入れがあるのだなと感じました。
この画廊が9月に取り上げたアーティストは以下の4人の外国人アーティストでした。
- フランス・ブルターニュの画家 ティエリー・ルバイユ
- コンビア・ボゴタの画家 ジョアンナ・アコスタ
- ポーランドの画家 アルカディウス・ヴェソウォスキー
- アルゼンチン・ブエノスアイレスの画家 マリア・マルタ・クレスポ
自然の美と絵画の美の違い
今回の特集うアーティストの展示を一言でいうと、心華やぐ小空間でした。もちろ美しいのですが、自然風景の美とは違った華やぎがありました。それぞれの華やぐ色彩あふれる作品からは、確かに画家の存在が感じ取れたからです。わたしは一人で鑑賞していました。孤独です。しかし、絵画を眺めていた私が思ったことは、「だれかといる」ような安心感でした。そんな包容力であったり、他者をふくめた人の心への注意や配慮といったものが、ぽかぽかと感じとれたのです。
私たちが絵画、を部屋に飾るもっとも深い部分や、絵画を愛する文化が発展してきたのはこんな「人の存在を近くに感じられるところ」にあるのだな、としみじみ思わせてくれる、素敵な空間がそこにはありました。
4人の海外アーティストの簡単な紹介と感想
フランス・ブルターニュの画家 ティエリー・ルバイユ
彼のスタイルは抽象画でした。それも、シンプルなタイプです。あれだけシンプルなスタイルなのに、見入ってしまうから不思議です。この手の絵は一定のレベル以上は抜群な才能がないと描けないものだということは重々承知のうえ、「家帰ったらやってみよう」と思わせてくれる作品でした。
コンビア・ボゴタの画家 ジョアンナ・アコスタ
彼女の作品は、愛らしい幾何学模様の抽象画です。幾何学模様なのに見ていて温かみが感じられる。幾何学模様、特に四角形という造形は都市での景色を象徴しているからでしょうか、わたしには絵の中に幾何学模様があると、どこか”洗練された”よう感想を抱きます。彼女の作品は、飾る場所をえらばずに、部屋の表情を豊かにしてくれそうな愛らしいものでした。
ポーランドの画家 アルカディウス・ヴェソウォスキー
彼の作品は、ポップな色彩でメリハリをつけて描かれたいたのですが、見ていてうるさくないどころが、高レベルな調和が感じられました。喜びと憩いが光のなか戯れてるような作品で、ポーランドの夏の海にいる女性がモデルの絵が多かったです。オーナー(のパートナー)の説明によると、夏が短い北国のポーランドでは、その分夏への愛が増すのだです。北のバルト海とは思えない心躍る開放感が印象的でした。
アルゼンチン・ブエノスアイレスの画家 マリア・マルタ・クレスポ
わたしは、個人的に彼女の作品が一番気に入りました。一見、憧憬を抽象画の形で表現されているのかとおもったのですが、そこには眼差しのようなものを感じました。どこか包み込むような安定感、いや安心感があるのです。話によると、彼女の子供と接するときの気持ちを表現しているそうで、それを聞いて腑に落ちました。作品からは人間が持ちうる最上の感情が溢れでているかのようでした。
以上、4人の外国人現代アーティスト@gallerry さぼん」についてでした。オーナー様、気がるに鑑賞できる配慮をしていただき、ありがとうございました。
「ギャラリーさぼん」
[会場]ギャラリーサボン:渋谷区広尾1-15-16渋谷橋Aビル1F
[会期]9月末まで(大まかです)
[時間]12:00~19:00
[定休日]月曜日